立川駅周辺で「立川けやき座」のポスターが目に入ったことはありませんか?けやき座って何?お年寄り向けのお芝居でしょ?って思ってしまうかもしれませんね。
そんな疑問にお答えすべく、「立川けやき座」の利用方法や楽しみ方を全力でガイドしていきます!
立川けやき座と大衆演劇について
以前、市内高松町に「立川大衆劇場」という芝居小屋がありました。
住宅地に囲まれたエリアなのに昭和の雰囲気と怪しげな雰囲気が漂っており、入口には派手なポスターが貼られ花輪がずらりと並んでいたのを覚えています。
そんな怪しげな雰囲気の「立川大衆劇場」が取り壊されたのが2008年。そして2015年にオープンしたのが「立川けやき座」です。
立川けやき座の基本情報
- 所在地:東京都立川市曙町1-36-1
- アクセス:立川駅より徒歩6分、多摩モノレール立川北駅より徒歩3分
- 受付時間:11:00~20:00(電話受付11:00~、劇場窓口11:30~)
- 公演時間:昼の部12:30~15:30(開場11:30)、夜の部17:30~20:30(開場16:30)
- 入館料:大人1,700円、子供900円
- 公式サイト:https://t-keyakiza.com/
大衆劇場は江戸時代までさかのぼる長い歴史があり、神社の境内で演じられていたこともあったようです。
近年は温泉健康ランドや市民ホールなどで行う公演も多く、東京都内で専門の劇場があるのは台東区の浅草木馬館、北区の篠原演芸場、そして立川けやき座の3ヶ所のみです。
日本の伝統芸能と聞くと歌舞伎が思い浮かびますよね。
大衆演劇も歌舞伎のように、親から子へ世襲されることが多く一族で劇団を運営するのが主流なのだとか。
歌舞伎は三味線や鳴り物の生演奏が特徴的で人間国宝になった演奏家も多数いますが、大衆演劇は演歌や歌謡曲に合わせて踊ったり歌ったりするのが特徴です。
生演奏はないもののより娯楽的で身近な演劇を楽しむことができる点が歌舞伎とは大きく異なります。
歌舞伎は伝統や歴史に重みを感じますが、大衆演劇は身近なショーとして気軽に楽しむことができるのが最大の魅力なんですよ。
庶民が難しい知識なしで楽しめるエンターテイメント、それが大衆演劇!立川で観られるのですから行かない手はありませんね。
立川けやき座の席の予約、入館の流れ
立川けやき座の公式サイトからチケットの予約はできませんが、この不便さも楽しんでしまいましょう。
桟敷席(花道と舞台に一番近い席400円)、たまり席(舞台正面の前列席300円)、椅子席(桟敷席、たまり席に近い前方エリア300円)の予約が可能ですがチケットの予約は劇場窓口か電話のみの対応となっていますのでご注意くださいね。
立川けやき座の入館料は大人1,700円。観客席中ほどから後部の椅子席で観劇するのであれば、予約不要当日1,700円のみの支払いでOK!好きな場所を確保しましょう。
桟敷席予約料400円(座布団・座椅子付)、たまり席予約料300円(座布団・座椅子付)、椅子席300円(座布団レンタル別途100円)と予約オプションをつけてもわずか数百円の加算で済んでしまいます。予約席は当日でも空いていれば利用できるので窓口に申し出てくださいね。
立川けやき座の入口に入ってすぐのところに窓口があるので、入館料金と必要であれば予約料を支払って奥にある「芝居小屋」の看板方向へ進みます。
予約席なら「予約」の札がある席に、1,700円の入館料で観劇する場合は「予約」の札がない椅子席を選びましょう。
公演直前にブザーが鳴るのでそれまでは自由に過ごしてOKです。写真を撮る方はブザーが鳴る前にカメラやスマホの設定(フラッシュ機能OFFやマナーモード等)をしておきましょう。
立川けやき座の良いところ
- 劇場がきれい!
- フレンドリーな常連さんが多い!
- 手荷物や飲み物の置き場所に困らない!
大衆演劇ファンの常連さんよると、立川けやき座は他の劇場と比べて綺麗で座席も見やすいのだそうです。
入口や受付ロビーは狭い印象ですが、お手洗いも十分なスペースが確保されていて幕間でも行列になることはありませんでした。
椅子席は、椅子と椅子の間にほどよい間隔が開いていて、隣の人が気になることがなく快適です。かといって離れすぎていることもなく、隣に座った人とちょっと話をするのにいい距離感。初対面の他人同士なのに会話が弾むのも大衆演劇の魅力なのかもしれませんね。
大衆演劇ビギナーの私にもいろいろ教えてくれる親切な常連さんいてフレンドリーな雰囲気がありました。
バッグや手荷物をかけられるフックやドリンクホルダーが取り付けられていて立川けやき座の心配りが感じられます。
立川けやき座のイマイチなところ
- ネット予約が出来ない!
- 飲み物やお弁当類は持ち込んだ方が良い!
席の予約は電話または窓口でしかできません。令和の時代にネット予約ができないのはやや不便に感じますね。
舞台前や花道の横など確実に席を確保したい時は早めに来場しましょう。
以前はおにぎり等のお弁当類が販売されていたそうですが、現在は飲み物やスナック菓子が並んでいる程度で種類は少なく値段はやや割高。
劇場内は、飲食・飲酒OKなので食事をしたい方は立川駅周辺で調達することをおすすめします。
反対にいえば、好きなものを自由に飲食できるというメリットになりますね。
立川けやき座の楽しみ方いろいろ
安い料金でとことん見尽くす!
歌舞伎は一幕見席なら1,500円で見ることもできますが、フルで観ると2等席でも14,000円程かかるので庶民が気軽にお芝居を楽しむには高いと感じてしまいますよね。
1,700円で間近に役者さんを見られる大衆演劇はやっぱりお手軽です。
たくさん拍手をして観客の皆さんとの一体感を楽しむのも良し!妙に色っぽい女形をじっくり観察するのも良し!最近は西洋風の演出も増えているようです。
和風の大衆演劇メイクに洋服を着ているミスマッチ感も、これはこれでありなのか!?と思えてくるから不思議。帰る頃には1,700円でこんなに楽しめちゃっていいのかという気持ちが湧いてきました。
写真をたくさん撮っちゃおう!
大衆演劇は舞踏ショーとお芝居が演じられます。どちらも動画撮影は禁止ですが、舞踏ショーに限り静止画撮影はOKなんですよ。
席を移動しながら写真撮影をする方もいてかなり自由に写真を撮れる印象でした。
公演中の観客席は暗いのでISO感度を上げたり夜景モードに設定しておくとキレイに撮れるかもしれません。あらかじめフラッシュの設定はオフにしてマナーを守りましょう。
声を出してゲラゲラ笑う!
お芝居は時勢を反映したお笑いネタが盛り込まれているので流行に鈍感なタイプだと何が笑いのポイントだったか分からないことも!
実は私自身、何が面白いのかわからないシーンがあったのですが、観客のみなさんがゲラゲラ大笑いしているのでつられてクスッと笑ってしまいました。
音楽に合わせて手を叩いたり声に出して笑ったりするのが苦手な方も少なくないと思うのですが、大衆演劇では観客が大盛り上がりしているのでその一員に加わって楽しんじゃいましょう!
飲食・飲酒OKのゆる~い雰囲気!
歌舞伎は幕間や休憩時間はOKでも公演中の飲食は控えるのがマナーですが、スタッフによると立川けやき座は公演中でも飲食しても構わないとのことでした。
たた、公演中の観客席は暗くなるので食べこぼしをしないよう十分気をつける必要があります。ガサガサと音が鳴るビニール袋やにおいの強いものは控えるといったマナーは守りましょう。
マダム達の熱気に注目!
大衆演劇は女性客が多く、とりわけ60代以上のマダムが多い印象でした。
一眼レフ&望遠レンズで写真を撮りまくるマダム、七色に変化するペンライトを振って応援するマダム、おひねりを大盤振る舞いするマダムなど、日常生活ではまず見ることがないマダム達に圧巻!
おひねりは1本1,000円の「おひねりレイ(花輪)」を買って役者さんの着物の帯に挟む方法と、お札や祝儀袋を役者さんの懐に差し込んだりクリップで留めたりする方法がありました。
一人で何本もレイを購入するマダムや、いったいいくら入っているんだろうと思わず勘ぐってしまう分厚い祝儀袋を準備しているマダムを見ていると、こういうお金の使い方で幸せを感じる方法もあるのかと未知の世界を垣間見た気がしました。
昼も夜も、毎日だって公演内容が変わる!
歌舞伎を含め多くのお芝居は一定期間同じ演目を公演しますよね。一方、大衆劇場は約1ヶ月間ひとつの劇団が公演し内容は毎日変わるというのですから驚きです。
昼の部と夜の部でも公演内容が違うので、ひとつの劇団で何パターンもの舞踏ショーやお芝居を演じることができるということ!私たち観客からすれば毎日足を運んだとしても毎回違う演目を楽しむことができて喜ばしいことですが、演じる側には相当な苦労・努力・工夫があるのではないでしょうか。
同じ劇団の違う演目を昼の部と夜の部で見比べてみるのもひとつの楽しみ方ですね。
立川けやき座についてまとめ
大衆演劇は、演歌をメインとした歌謡曲ばかりなのでこういった音楽が苦手な方には全くおすすめできません!
私自身は演歌は紅白歌合戦でチラ見する程度で興味はありませんが斬新で面白く感じられました。
観客は60代以上の女性がメインですが、20代の女性グループも来ていましたし30代のサラリーマン風のひとり客もいましたよ。性別や年齢で場違いになるということはありません。
「立川けやき座」はマナーを守れば写真撮影も飲食・飲酒もOK!予備知識を仕入れなくても、笑いあり涙ありのお芝居を楽しむことが出来るノリと雰囲気を味わってみてくださいね。
- 立川けやき座のポスターについ目が行ってしまう!
- 立川に芝居小屋があるのは知っているけどどんなところか全くの謎!
- 立川で少ないお小遣いで大きく楽しめる娯楽や趣味を探している!
こんな方はぜひ「立川けやき座」に足を運んでみてはいかがでしょうか。
きっと今まで知らなかったディープな立川を楽しむことができますよ!